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コラム

  • 足場の許容積載荷重と最大積載荷重の違いについて詳しく解説
    高所作業を安全に行うために、足場を正しく使用することが重要です。
    建設現場の足場は、労働安全衛生法で定められている基準を順守しなければなりません。

    労働安全衛生法で定められている基準とは、足場の構造や落下対策などです。
    特に重要なのが、組んだ足場の最大積載荷重を守ること。最大積載荷重を超えるような使い方をすると、
    足場の崩落をまねきかねません。そのため事業者は、作業者に足場の最大積載荷重を周知させる必要があります。

    足場の積載荷重には、許容積載荷重と最大積載荷重があります。
    これらの荷重は、同じ荷重でも意味が違うため、区別して知っておくことが重要です。

    そこで今回は、足場の許容積載荷重と最大積載荷重の違いについて解説します。
     


    ▼ 目次
     1.足場の許容積載荷重とは
       2.  足場の最大積載荷重とは
           2-1.  ブラケット一側足場
         2-2.  次世代足場
         2-3.  単管足場
         2-4.  枠組足場
       3.  足場の積載荷重表示に注意
       4.  まとめ


    1.足場の許容積載荷重とは

     
    足場の許容積載荷重とは、足場の床に使用する布板1枚が許容できる荷重のことです。

    例えば布板の幅が500mmの場合、許容積載荷重は250kgとなります。
    布板の幅が300mmの場合は許容積載荷重が150kg、幅240mmで120kgとなります。

    許容積載荷重は布板の幅で異なります。幅が広くなるにつれて数値も大きくなり、
    大きな重さにも耐えられるようになります。

    2.足場の最大積載荷重とは


    足場の最大積載荷重とは、足場に布板を組み合わせて設置した状態で、
    1スパン当たりに載せられる最大の重量のことです。

    実際の作業で足場を使用する際は、足場にかかる重さが必ず
    この最大積載荷重を超えないように管理しなければなりません。

    足場の最大許容荷重は、足場の種類によって異なります。
    ここでは、足場の種類別に許容荷重を説明します。

    2-1.ブラケット一側足場



    ブラケット一側足場は、片側だけに足場を建て、ブラケット等を取り付けて
    その上に足場板を敷き詰めた足場のことです。

    ブラケット一側足場は、敷地が狭く、枠組足場や二側足場の設置が困難な場所で使われます。
    足場を支える建地が片側にしか無いため、最大積載荷重は1スパン当たり150kg以下、建地1本当たり100kgとされています。
    布板の許容積載荷重が150kg以上だったとしても、150kg以上の物を置くことができません。

    ブラケット一側足場で特に注意しなければならないのが、同一スパンに2人以上で作業する場合です。
    最大積載荷重には、作業者の体重も含まれます。

    日本の成人男性の平均体重が64kgから65kgと言われており、同一スパンに2人の作業者が同時にのった場合、
    約130kgの荷重となります。

    また、作業者はヘルメットや墜落制止用器具などの保護具を着用しており、腰には腰道具と呼ばれる道具入れを携帯しています。
    腰道具には作業に必要な工具等が入っており、作業者によって異なりますが5kgから10kgの重量があると言われています。

    それらの重量も含めると作業者の体重によっては、最大積載荷重を超える可能性もあるため、
    ブラケット一側足場では同一スパンに同時に2人で作業をすることの無いように作業管理をした方がよいでしょう。

    2-2.次世代足場



    次世代足場は、従来の打込み式クサビ緊結式足場から進化した足場です。
    近年の建設現場における労働力不足の解消や安全性低下の防止、作業負担の軽減などを目的に開発されました。

    枠組足場に代わる次世代の足場として、運搬が容易でコスト面でも優れています。
    最大の特徴は、システムとして承認を取得することにより全体の強度計算が容易になることと、
    足場の組み立て・解体の危険性を軽減できることです。

    中央ビルト工業では、次世代足場として「スカイウェッジ427」を販売しています。
    「スカイウェッジ427」は、支柱の外径が建枠と同じ42.7mmとなり、幅木やジャッキベースなどの既に保有している足場部材の資産を活かせる足場です。

    足場の組み立て・解体については、2層5スパンの足場を地上で組み立て荷揚げすることを推奨しています。
    外形は従来品と比べると細くなっていますが、梁間方向の支柱間隔900mm以上で、
    1スパンの積載荷重の合計が最大800kgまで使用することができます。

    また1層1スパンの積載荷重は、連続スパン載荷の場合は250kg、1スパンおき載荷の場合は400kgです。
    使用条件によって最大積載荷重が変わりますので、作業内容によって最大積載荷重を設定します。

    2-3.単管足場



    単管足場は、直径48.6mmの「単管」と呼ばれる鋼管を使って組み上げる足場です。
    「単管」に「クランプ」という金具を取り付けて、さらにボルトで固定して組み上げていきます。

    単管足場の特徴は、足場の形状を自由に組むことができるため、狭い場所でも足場を組めることです。
    材料となる「単管」もホームセンターなどで安価に購入することができます。
    しかし自由に足場を組める反面、組み立てと解体に時間がかかります。
    また組み立てる際には、インパクトドライバーと呼ばれる電動工具が必要です。

    単管足場の最大積載荷重は、労働安全衛生規則で1スパンあたりの積載荷重は400kgが限度と決められています。

    2-4.枠組足場



    枠組足場とは、ジャッキや筋交、鋼製布板などの部材を組み立てて構築される仮設足場の一種で、
    足場工事の中で最もよく使用されます。

    枠組足場には先述した部材に加えて、ジョイントやアームロック、壁つなぎなど、さまざまな部材が使われます。
    また、作業員や資材の落下を防止するために、先行手摺(てすり)や幅木、メッシュシート等の設置が義務付けられているのです。

    枠組足場の最大積載荷重は、建わく幅で異なります。
    建わく幅が1,200mmの場合は、500kg以下、900mmの場合は400kg以下と決められています。

    3.足場の積載荷重表示に注意


    建設工事では、着工から完成まで同じ作業者が作業を行うことはほとんどありません。
    多くの作業者は工事の進捗によって入れ替わります。

    作業者の中には、1日しか作業に来ない人もいることでしょう。
    1日しか作業をしない作業者であっても、足場の最大積載荷重を把握していないと、事故や足場崩落の原因になりかねません。

    事業者は、設計で決まった足場の最大積載荷重を超えないように、作業を管理しなければなりません。
    また、作業者も足場が許容できる荷重を把握しておく必要があります。
    作業者に最大積載荷重を周知させるためには表示が不可欠ですね。

    作業状況によって、荷重が場所ごとに変わる場合は、各スパンに最大積載荷重を正しく表示し、
    その日にはじめて作業に入る作業者であっても、容易に理解ができるようにしておきましょう。
     

    4.まとめ



    今回は足場の許容積載荷重と最大積載荷重について解説しました。

    許容積載荷重と最大積載荷重の違いは、布板1枚が許容できる重量なのか、
    1スパンあたりに載せられる最大の重量なのかという点です。

    足場の許容積載荷重は布板で決まっていますが、最大積載荷重については、
    足場の種類や足場全体の荷重状況によって変化します。

    建設現場の足場には、作業者だけでなく工事に使用する資材や機材などを一時的に仮置きすることがあります。
    それらは全て足場に荷重をかけることになるので、現場で足場にかかる全ての荷重を把握しておかなければなりません。

    最大積載荷重の誤表記は、大きな事故に繋がる可能性があります。
    事業者は、最大積載荷重の計算方法を理解して、適切に荷重を管理することが求められます。

  • 足場の層間ネットとは?特徴や設置基準も解説
    建築現場の高所作業で大切なのが、落下防止対策です。
    作業者はもちろん、道具や材料などの落下も防止しなければなりません。

    そのため、高所作業の足場には国の法律で落下防止対策が決められています。
    (安衛則537条及び、安衛則563条参照)
     

    今回は落下防止対策の中でも、物の落下防止措置である層間ネットについて説明します。
     


    ▼ 目次
     1.足場の層間ネットとは
       2.  足場の層間ネットの特徴
           2-1.  素材
         2-2.  結び方
         2-3.  使用期限
       3.  安全ネットの設置基準は?
         3-1.  設置基準
         3-2.  間隔や高さの算出
       4.  まとめ


    1.足場の層間ネットとは


    労働安全衛生規則で「防網」とも呼ばれる層間ネットは安全ネットの一部で、
    主に物の落下防止措置のために設置するものです。

    高さが2メートル以上の場所で作業を行う場合は、足場を組んで作業床を設けなければなりません。
    また架設通路には手すりや中さんの設置、足元には高さ15センチメートル以上の幅木を設置します。

    さらに物体が落下した場合に備え、それらを受け止めるためにメッシュシート又は層間ネットを設置します。
    落下による事故を防止するために、2重3重で対策を行わなければなりません。

    足場と躯体の間に張る小幅のネットである層間ネットは、物の落下防止措置だけでなく、
    作業中に手すり、中さん、幅木等を外さなければいけない場合や手すり等が設けられない箇所へ措置するものでもあります。
    しかし、手すりや中さん、幅木等に直接代わるものではありませんので注意しましょう。 

    2.足場の層間ネットの特徴


    物の落下防止措置のため層間ネットは欠かせないものです。
    ここでは層間ネットの特徴について説明します。

    2-1.素材


    層間ネットに使われる素材として、ナイロンやポリエステルがあります。
    どちらの材料も層間ネットとして十分な強度を有していますが、
    特にポリエステルのネットは、耐候性と耐衝撃性に優れているとされています。

    屋外で使用されることの多い層間ネットには、耐水性や耐候性が求められますが、
    ナイロンもポリエステルも屋外での使用に適した材料です。

    2-2.結び方


    層間ネットの結び方には有結節と無結節、ラッセルがありますので、それぞれを紹介します。

    ■ 有結節
    有結節は糸の交差している部分に結び目があるネットで、無結節は結び目が無いネットです。
    有結節のネットは強度がある反面、結び目があるためネットを束ねる際にごわつきがあります。

    ■ 無結節
    無結節は網糸の交差している部分に結び目が無いため、網糸を作る際に網目も同時に形成できるため生産性が高いのが特徴です。
    また、糸の交差部に結び目が無いので、ネットを束ねる際にごわつきが少なく、かつ軽量で使用しやすいです。

    ■ ラッセル
    無結節と同じ結び目の無いネットで、ラッセルと言う種類があります。
    ラッセルはレース状に編み込まれたネットで、ラッセルネットとも呼ばれ多くの場所で使われています。

    2-3.使用期限


    ナイロンやポリエステルは、石油を原料とした合成繊維であるため、
    製造されてから一定の時間が経つと劣化します。そのため層間ネットには、使用期限が決められています。
    一般的な層間ネットの使用期限は製造年月から1年です。

    製造年月については、製品ラベルから確認できます。使用期限が過ぎた層間ネットは、
    安全性が確保されませんので必ず交換するようにして下さい。

    3.安全ネットの設置基準は?


    層間ネットを含む足場の安全ネットは、正しく設置しないと落下防止対策になりません。
    そのため、一般社団法人仮設工業会では『安全ネットの構造等に関する安全基準と解説』として、
    墜落による危険を防止するためのネットの設置基準を定めています。

    ここでは、落下対策におけるネットの設置基準について説明します。


    3-1.設置基準



    ネットの設置基準として決められているのが、落下高さ、ネット下部のあき、ネットの垂れです。

    ■ 落下高さ
    落下高さとは、墜落のある作業床からネットの支持面までの垂直距離です。
    落下高さまでの距離が長いと落下時の衝撃が大きくなるため、作業床から離れすぎないように設置します。

    ■ ネット下部のあき
    ネット下部のあきは、設置したネットの支持面から下部にある床面などまでの垂直距離です。
    落下物をネットで受けた時に、ネット下部の床面などに衝突を回避するために必要な距離を確保する必要があります。

    ■ ネットの垂れ
    ネットの垂れとは、設置したネットの最低部からネットが取り付けられている支持面までの垂直距離のことです。設置した際に、ネットが垂れすぎていないように設置します。
     

    3-2.間隔や高さの算出



    算出に用いる記号を説明します。

    正方形ネットの場合は一辺の長さを、長方形ネットの場合は短辺の長さを記号Lで表します。
    ネットの支持間隔を記号Aで表します。ネットは紐によって足場などに結び付けます。
    支持間隔とは固定物に結び付けた紐の間隔のことです。

    ■ 落下高さの算出式
    落下高さ(H1)の算出式は次の通りです。
    単体ネットの場合:H1≦0.25×(L+2A)
    複合ネットの場合:H1≦0.20×(L+2A)
    ただし、A≦Lの範囲ではA=Lとして計算します。

    単体ネットとは、1枚のネットのこと。複合ネットとは、単体ネットを複数つなぎ合わせたネットのことです。

    落下高さをH1以下にすることで作業者が墜落した場合、人体にかかる加速度を147m/s2以下にでき、
    落下者への衝撃を減らせます。

    ■ ネット下部のあきの算出式
    ネット下部のあき(H2)の算出式は次の通りです。
    H2≧0.85×(L+3A)÷4
    ただし、A≦Lの範囲ではA=Lとして計算します。

    ■ ネットの垂れの算出式
    ネットの垂れ(S)の算出式は次の通りです。
    S≦0.2×(L+2A)÷3

    ■ 算出例
    実際に以下の条件で算出をしてみます。
    ・使用するネットのサイズ:4m×8mの単体ネット(L=4m)
    ・ネットの支持間隔:2.88m(A=2.88m) 
    ※A≦Lのため、A=LとなりAは4mとなります。

    落下高さ≦0.25×(L+2A)=0.25×(4m+2×4m)=3m
    ネット下部のあき≧0.85×(L+3A)÷4=0.85×(4m+3×4m)÷4=3.4m
    ネットの垂れ≦0.2×(L+2A)÷3=0.2×(4m+2×4m)÷3=0.8m

    計算の結果、落下高さは3m以下、ネット下のあきは3.4m以上、ネットの垂れは0.8m以下となります。
    実際に設置した状態を考えると、落下高さとネットの垂れは設置方法によって、最小に抑えられますが、
    ネット下のあきが確保できるかがポイントです。

    ネットに作業者が落下した場合、ネットは設置してある高さから落下の衝撃を受けながら下がります。
    そのためネットが下がっても、下の床や機械などにぶつからないスペースを確保しなければなりません。

    しかし屋内の足場などの場合、ネット下のあきが確保できないこともあるでしょう。
    そのような場合は、ネットのLサイズを小さくするなどの対応が必要です。
    工事現場の状況に合わせてネットを選択しましょう。
     

    4.まとめ



    建設現場では高所作業を行うために足場を組みますが、作業時の墜落対策を万全に行う必要があります。
    さらに万が一、物が落下した時の対策も重要です。

    ネットを設置する場合は設置基準がありますので、設置基準を守って利用しましょう。

  • 足場屋さんとは?鳶(トビ)職人との違いも紹介!
    建設工事の現場で活躍するのが「鳶」と呼ばれる職人たちです。鳶職人の歴史はとても古く、
    日本最古の木造建築物である法隆寺を建立した時には既に存在したと言われています。

    当時も高い建物を建築するために、作業足場を組んで、その上でさまざまな職人が作業をしたことでしょう。
    しかし現在では、鳶職人と言ってもその仕事内容によっていくつかの種類に分類されています。

    今回は鳶職人を目指す方向けに、鳶職の種類や鳶職と同時に使われることの多い
    「足場屋さん」と呼ばれる職人について解説します。
     


      ▼ 目次
       1.足場屋さんとは
       2.  足場屋さんと鳶職人の違いは
       3.  鳶職人の種類
         3-1.  足場鳶
           3-2.  橋梁鳶
           3-3.  鉄骨鳶
           3-4.  重量鳶
           3-5.  送電鳶
           3-6.  町場鳶
       4.  職人に足場屋さんが選ばれる理由
        4-1.  給料が高い
        4-2.  独立がしやすい
       5.  まとめ


    1.足場屋さんとは


    足場屋さんとは、文字通り高所作業の足場を組み立てたり、解体したりする作業を専門に行う職種のことです。

    足場屋さんは高所作業の足場以外にも、イベント会場の設営やステージ、舞台の照明を組み立てる仕事なども行います。


    足場屋さんは、足場に関する専門的な知識を持った職人です。
    高所作業の足場は、建物の形状やサイズに合わせて組まなければなりません。
    建物の形によっては、複雑な形の足場を組む場合もあります。
    足場屋さんは、建築工事を効率的かつ安全に行うために重要な役割を果たしています。

    2.足場屋さんと鳶職人の違いは


    ところで、足場屋さんと鳶職人の違いはあるのでしょうか。

    まず鳶職という名称が生まれたのは、江戸時代の頃と言われています。
    当時の鳶職人は、建築現場などの高い場所で作業をする以外にも、火災が発生した時には火消しの仕事も行っていました。

    現在では、鳶職人が火消しの仕事をすることはありませんが、高い場所で作業を行う職人を鳶職と呼んでいます。

    今では高所作業の内容が細分化されていて、それぞれの高所作業で専門知識と高い技術が必要なことから、足場屋さんという職種が誕生しました。

    つまり、元々鳶職人とは高い場所で作業を行う職人の総称で、足場屋さんは鳶職人の中でも足場に特化したスペシャリストを言います。

    3.鳶職人の種類


    仕事内容によって細分化された、鳶職人の種類について説明します。

    3-1.足場鳶



    足場鳶は足場を専門に作業する鳶職人であり、いわゆる足場屋さんです。

    足場と言っても、数メートルの高さから数十メートルの高さのものまであります。
    一般的に住宅専門の足場鳶については、足場職人と呼ばれ、
    ビルやマンション建築のような足場を組み立てる職人を足場鳶と呼んでいます。

    足場鳶は真っ先に工事現場に入って、後から作業する職人が作業をしやすい安全な足場を組み上げます。
    他の職人が安心して作業できる場を作る仕事なのです。
     

    3-2.橋梁鳶



    橋梁鳶は、高速道路の高架や橋の工事に関わる鳶職人です。橋梁鳶の特徴は、横に伸びていく建設物を組み立てていくところです。一般的な建設物は縦方向に伸びていくように組み立てていきますが、橋梁鳶は横方向に組み立てるため、鳶職の中でも専門知識が必要です。

    また、作業足場の下が海や川、道路や鉄道といった状況があるため、高い技術が求められます。
     

    3-3.鉄骨鳶



    鉄骨鳶は建物の骨格となる鉄骨の柱や梁をクレーンで吊り上げて、組み上げる鳶職人です。
    鉄骨鳶の仕事は、建物をまっすぐ建てるために重要です。

    鉄骨をボルトで固定するだけでなく、固定する柱を垂直にしたり梁を水平にしたりしなければなりません。
    鉄骨鳶には高所作業の危険が伴うだけでなく、建物をしっかり組み立てるための専門性が必要です。
    そのため鉄骨鳶として一流になるためには、豊富な経験とさまざまな資格を取得することが求められます。

    3-4.重量鳶



    重量鳶は、大型の機械や構造物などの重量物をクレーンで移動させる作業を行う鳶職人です。

    足場鳶や鉄骨鳶のように、高所を移動するような作業は少ないのですが、
    非常に繊細な作業になるため、精度の高いクレーン操作技術が必要です。

    3-5.送電鳶



    送電鳶は高所の電気工事を行う鳶職人で、正式な呼び名は「送電線架線工」と言います。
    7000ボルトを超える送電線の鉄塔に上がって、敷設作業や保守点検を行います。

    送電線の鉄塔は山奥にも多くあるので、険しい山の中で作業を行うタフな精神力が必要です。
    送電鳶はラインマンとも呼ばれ、国内には4000人ほどしかいないとされています。
     

    3-6.町場鳶



    町場鳶は、主に一戸建ての木造住宅に関した作業をする、地元に密着した鳶職人です。

    足場や柱、梁の組み立てから神輿の出し入れ、お祭りで使う屋台の設営なども行います。
     

    4.職人に足場屋さんが選ばれる理由


    さまざまな種類がある鳶職人ですが、その中でも足場屋さんと呼ばれる足場鳶の仕事が
    多くの人に選ばれています。

    次からは、仕事として足場屋さんが選ばれる理由について説明します。
     

    4-1.給料が高い


    足場屋さんは経験を積むことで給料の上昇が期待できる職種です。
    親方レベルになれば、年収は600万円〜800万円程度と言われています。

    一般の作業員として働く場合は、スキルや経験値によって給料に差がつくことがあります。
    高度な技術や経験を得るに従い、給料も上がっていきます。

    一般的な仕事をこなせるようになるまでには、単管足場やクサビ式足場などの種類と組み方を覚える必要があり、
    覚えるまで3年はかかると言われています。

    特に、他の作業者も足場で作業をするため、安心安全な足場を組まなければなりません。
    足場の組み立ては建設工事において欠かせない作業であるため、需要が高いのが特徴です。
     

    4-2.独立がしやすい


    足場屋さんが選ばれる理由は、建築業界の中でも独立がしやすいことです。
    足場鳶の仕事内容は高い専門知識が必要ですが、パターンを覚えてしまえばシンプルな作業が多いためです。

    3年間程、現場を経験すればほとんどのことを覚えられると言われています。
    足場組み立て作業を習得すれば、単なる作業者としての役割だけではなく、
    工事現場の管理・監督を任せられるようになるでしょう。

    工事現場を管理・監督できると、独立をしても問題ありませんが、いきなり起業するのはリスクがあります。
    そこでおすすめなのが、一人親方です。起業する必要はなく、個人事業主として活動ができるからです。

    一人親方で独立すれば、元いた会社から仕事を請け負える可能性もありますので、
    独立する際は仕事を請け負えるかを聞いてみるといいでしょう。
     

    5.まとめ



    高所で作業を行う鳶職の仕事は、1400年以上の歴史があり、時代によっては火消しの役割を担っていました。

    現在では鳶職人の仕事も細分化されており、より専門知識や技術が必要です。

    鳶職人の中でも足場屋さんは仕事の引き合いが多く、収入が高い状況は続くことでしょう。

    将来職人として独立を考えている方は、足場鳶を目指してみてはいかかでしょうか。
  • 【足場】朝顔とは?組み立て方と設置基準、設置単価も紹介
    高所作業を安全に行うために、作業者の墜落防止措置は重要です。では、作業者以外への安全対策はどうでしょうか。
    高所作業で使用している工具や資材を落としてしまうと、地面に落ちた時のエネルギーはとても大きくなります。

    もし落下した物体が人に当たってしまうと大きな事故となるので、高所作業の足場には、作業床の端に幅木と呼ばれる板の設置が義務付けられています。
    しかし、幅木だけで落下物事故を防ぐのは難しいでしょう。

    万が一の落下物に対する対策が必要です。今回は、仮設足場からの落下物による事故を防止する対応について解説します。

      ▼ 目次
       1.足場の朝顔とは
       2.  足場の朝顔の正式名称
       3.  足場の朝顔の組み立て方
       4.  足場の朝顔の設置基準
       5.足場の朝顔の設置単価
       6.  足場の朝顔を設ける際の注意事項
        6-1.  朝顔の角度に注意する
        6-2.  同一メーカーのセット品を利用する
       7.まとめ


    1.足場の朝顔とは


    公道や歩道に隣接する高所作業の仮設足場を設ける場合は、落下物による危害を防止するために防護用板の設置が必要です。

    この防護用板は足場の外側面にはね出して設置されています。足場から斜め上に広がっているため、
    その形が花のアサガオに似ていることから業界用語で「朝顔」と呼ばれています。

    2.足場の朝顔の正式名称


    朝顔の正式名称は防護棚と言いますが、労働安全衛生規則第537条で「防網」、建築基準法第136条の5では
    「鉄網」または「帆布(はんぷ)」との記載もあります。

    厚生労働省の「国土交通省の仕様書に基づいた足場等の安全対策」では「防護棚(朝顔)」とも記載されているため、
    朝顔で十分に通じます。

    3.足場の朝顔の組み立て方


    朝顔の組み立て方は次の通りです。

    ①朝顔の主材と斜材を受ける金具を、足場の建枠に取り付ける

    ②取り付けた金具に、朝顔の主材とスライド管を取り付ける
    ※スライド管は朝顔を開閉するために必要な部品です。

    ③スライド管にアサガオ斜材を取り付ける

    ④斜材と取り付けた主材の先端にロープを取り付け垂直状態にする
    ※この取り付けたロープは朝顔を開閉するために必要です。

    ⑤朝顔が必要となる幅の長さまで、主材と斜材を組み立てる

    ⑥組み立てた主材の根元にバンノー受けL型を、先端にバンノー受けC型を取り付ける

    ⑦主材とバンノー受けによってフレーム状の枠ができるので、枠にフレームのフレ止めを取り付ける
    ※フレ止めは、バンノー鋼板を受けるためにも必要な部材です。

    ⑧フレームにバンノー鋼板を取り付ける

    ⑨バンノー鋼板を全て取り付けたら、ロープを緩めて朝顔を倒して角度を調整する

    ⑩朝顔の角度が決まったら、斜材の吹き上げ防止ピンを取り付ける
    ※朝顔の下方向への応力については斜材で受けますが、風などで上方向に持ち上がらないように、
    忘れずに吹き上げ防止ピンを取り付けてください。

    ⑪隣り合う主材の間に、隙間がないか確認する
    ※各部材に隙間がなければ朝顔の完成です。

    4.足場の朝顔の設置基準


    朝顔の設置基準は建設基準法施行令第136条の5で、工事現場の境界線から水平方向の距離が5m以内、
    かつ地盤面から高さ7m以上ある時に設置すると決められています。
    そして構造は、国土交通大臣の定める基準に従わなければなりません。

    国土交通大臣の定める基準とは、昭和42年に「建設工事等の工事現場における落下物による危害を防止するため
    の措置に関する指導基準」として通達されています。

    建設工事などの作業する場所が地盤面から10m以上の高さにある場合は、朝顔を少なくとも1段以上設置する必要があります。
    さらに、高さが20m以上の場合は、2段以上の朝顔を設置しなければなりません。

    落下物を受ける部分についても、板状のもので隙間がないことや、木板の場合は厚さが1.5cm以上、
    金属板等その他の材料の場合は、同等以上の効力がある厚さとされています。

    取り付け方についても、骨組の外側から水平方向に2m以上突き出させ、角度も水平方向に対して20度以上取らなければなりません。
    朝顔の最下段は、工事を行う部分の下10m以内に設置します。

    5.足場の朝顔の設置単価


    朝顔の設置単価は、2019年時点で1m当たり5,000~5,500円くらいです。
    ただし実際には、運搬費用や撤去費用などを含めると、1m当たり13,000~18,000円くらいとも言われています。

    単価に朝顔を設置する長さを掛けると、朝顔の費用を計算できます。
    例えば、幅10mの範囲に朝顔を設置する場合の費用は、10m×5,500円/m=55,000円または、
    10m×18,000円/m=180,000円です。高さが20m以上の場合は2段必要になるので、費用が2倍になります。

    また朝顔が公道にはみ出てしまう場合は、道路を管理している自治体に占用料金を支払わなければなりません。
    占用料金は、自治体によって単価が違います。

    占用料金は、単価と占用面積を掛けて計算します。
    例えば、工事場所が千代田区で朝顔が公道に7.8平方メートルはみ出る場合の占用料金は、
    17,760円/年×8平方メートル(面積の小数点以下は切り上げ)=142,080円/年です。

    朝顔の設置期間が2カ月であれば、142,080円/年÷12カ月×2カ月=23,680円となります。
    各単価は変動する場合があるので、設置前に最新の単価を確認しましょう。

    6.足場の朝顔を設ける際の注意事項


    朝顔の設置基準は法律や通達で決められていますが、実際に設置する場合の注意点を説明します。

    6-1.朝顔の角度に注意する



    朝顔の設置基準で、水平に対する角度は20度以上必要です。
    これだけの情報では、20度以上であれば何度でも良いと解釈できます。

    しかし、朝顔の角度を大きく取りすぎると、はね出し寸法が2m以下になってしまうので注意が必要です。
    例えば、通常のバンノー鋼板(2,350mm)の場合、角度が20度であれば、はね出し寸法は2,208mmとなり2m以上が確保できます。

    しかし角度が35度になってしまうと、はね出し寸法は1,925mmで2m未満となり、はね出し寸法不足です。
    朝顔は工事の進捗状況や天候によって開閉させる場合があるため、角度を変化させる場合は、
    設置角度とはね出し寸法に注意しましょう。

    6-2.同一メーカーのセット品を利用する


    朝顔は、各メーカーからセット品が販売されています。朝顔を使用する場合は、同一メーカーのセット品を使用しましょう。
    同一メーカーのセットを標準的に組み立てれば、設置基準を満たす朝顔になります。

    朝顔を職人が異なるメーカーの資材で、現地で1から組もうとすると、
    水平方向へのはね出し寸法や取り付け角度を測りながら組み立てなければなりません。
    また隣り合う主材の間に隙間ができる可能性があります。

    7.まとめ


    朝顔が必要になる工事現場は、敷地境界までの距離が短く、公道に近い状況になっています。
    作業中に高所から工具などを落下するようなことがあると、大きな事故につながる可能性があります。

    朝顔の特徴を理解し、正しく設置するようにしましょう。
  • 足場のローリングタワーとは?特徴と組み立て方も解説
    建設現場では業界特有の専門用語があります。高所作業などリスクの高い現場で、コミュニケーションに問題があると、ミスや事故の原因になりかねません。 とは言うものの、経験が浅い人にとっては専門用語を覚えるまでに時間がかかるでしょう。そこで今回は、足場業界で使われている専門用語について説明します。

      ▼ 目次
       1.足場のローリングタワーとは
       2.ローリングタワーの特徴
       3.ローリングタワーの組み立てに必要な資材
        3-1. 建枠
        3-2. 床付布枠
        3-3. 交さ筋かい
        3-4. 車輪
        3-5. 手摺枠
        3-6. 手摺
        3-7. 幅木
        3-8. キャスター止めクランプ
        3-9. 控枠
       4.ローリングタワーの組み立て方
        4-1. 1段目
        4-2. 狭小地(きょうしょうち)
        4-3. 最終段
       5.ローリングタワーを使用する際の注意点
        5-1. 地面が傾いた場所で使用しない
        5-2. 積載荷重を守る
        5-3. 人を載せたまま移動させない
        5-4. アウトリガーでしっかり固定してから使用する
        5-5. 脚立などを作業床で使用しない
        5-6. 墜落制止用器具(安全帯)を使用する
        5-7. 手摺から乗り出さない
        5-8. 手摺や幅木に足を掛けない
        5-9. 資材が外れた状態で使用しない
        5-10. 建枠と交さ筋かいの外側で作業をしない
       6.まとめ

    1.足場業界でよく使われる専門用語20選

    「移動式足場」とも呼ばれている足場のローリングタワーは、高い場所での作業に用いる移動式の仮設足場です。

    一般的には、2階建て程度の高さで作業する時などに利用します。
    建築作業における設備や内装工事などで利用する以外に、イベント設営や高所の清掃、電球交換などにも活用します。

    2.ローリングタワーの特徴

    足場のローリングタワーの特徴は、組み立てた足場を移動できることです。

    一般的な足場は、1度組んだら容易に移動できませんし、移動する場合は1度足場をバラして、組み直す必要があります。
    ローリングタワーを利用することで、移動時に足場の組みばらし作業を省略できます。

    またキャスターが付いているため、人の力で簡単に移動できます。
    さらに途中に作業床を設けることで、中間位置での作業も可能です。

    取り扱いがしやすいローリングタワーですが、組み立てる場合は足場の組立て等作業主任者の選任や
    足場の組立等特別教育の受講などが必要になります。

     

    3.ローリングタワーの組み立てに必要な資材

    ローリングタワーに使用する資材については、見た目が同じような資材であっても、各メーカーで寸法や形が異なる場合がありますので、
    同一メーカーのものを揃えて使用しましょう。

    中央ビルト工業の枠組式ローリングタワーを組み立てるには、次の資材が必要です。

    3-1.建枠

    建枠は、支柱となる建地が門型になったものです。

    3-2.床付布枠

    床付布枠は、掴み金物を接合して作られた作業床です。「足場板」とも呼ばれています。

    3-3.交さ筋かい

    交さ筋かいは、柱と柱の間に斜めに挿して建築物や足場の構造を補強する部材です。

    3-4.車輪

    車輪は、ローリングタワーを移動させるためのキャスターのことです。

    3-5.手摺枠

    手摺枠は、手摺を固定する枠のことです。

    3-6.手摺

    手摺は、人の落下を防ぐものです。

    3-7.幅木

    幅木は、床の端に取り付けて、作業床からの落下物を防ぐものです。

    3-8.キャスター止めクランプ

    キャスター止めクランプは、車輪を固定するためのストッパーのことです。

    3-9.控枠

    控枠は、アウトリガーのことです。

    4.ローリングタワーの組み立て方

    ローリングタワーは基本的にメーカーの指示に従って組み立てる必要があります。
    次からは、一般的なローリングタワーの組み立て方について説明します。

    4-1.1段目

    ①車輪とキャスター止めクランプを組み立てる


    ②床付布枠を取り付ける


    ③建枠に組み立てたキャスター止めクランプを取り付ける


    ④片側の建枠に交さ筋かいを取り付ける

    ⑤反対側の建枠も交さ筋かいを取り付ける


    ⑥1段目の建枠に控枠を取り付ける


    ⑦1段目が安定しているかを確認する


    1段目がしっかり組まれていないと、組み上がったローリングタワーがグラグラと揺れる可能性があります。不安定にならないように、資材同士の結合部に隙間が無いか確認しましょう。正しく組み付けていても安定しない場合は、資材が変形している可能性があるので、変形していないかを確認する必要があります。

    4-2.2段目以降

    ①1段目の建枠に2段目の床付布枠を取り付ける
    ②1段目の建枠に2段目の建枠を差し込む
    ③2段目の床付布枠を足場にして、建枠に交さ筋かいを取り付ける

    3段目以降は必要な高さに応じて、2段目以降と同じように組み立てていきます。

    4-3.最終段

    最終段は建枠ではなく、手摺枠と手摺を取り付けてローリングタワーの完成です。

     

    5.ローリングタワーを使用する際の注意点

    ローリングタワーを安全に使用するための注意点について説明します。

    5-1.地面が傾いた場所で使用しない

    ローリングタワーを使用する時はもちろん、組み立てる時も地面が平らで水平な場所で行いましょう。

    資材を置く場所も必要なので、十分に広い場所で組み立てます。また組み立てた場所から使用する場所に移動する時にも、地面が傾いたところが無いか確認しましょう。

    5-2.積載荷重を守る

    ローリングタワーだけでなく、足場には積載荷重の表示義務があります。これを超えて積載しないように管理しましょう。

    5-3.人を載せたまま移動させない

    ローリングタワーで行える作業の範囲は限られています。作業範囲を移動する場合は、移動時に転落や落下の危険性があるため、人や機材を降ろしてから移動させましょう。

    5-4.アウトリガーでしっかり固定してから使用する

    アウトリガーが付いているローリングタワーは、必ずアウトリガーでしっかり固定してください。中央ビルト工業の1600幅ローリングタワーは、作業床の高さ5400mmまでアウトリガーを必要としないので、キャスターを固定すれば直ぐに作業が行えます。

    5-5.脚立などを作業床で使用しない

    ローリングタワーの上で、脚立などを使用してはいけません。

    5-6.墜落制止用器具(安全帯)を使用する



    ローリングタワーで2メートル以上の高さでの作業を行う場合には、墜落制止用器具(安全帯)を使用しましょう。

    5-7.手摺から乗り出さない

    ローリングタワーの手摺から乗り出してはいけません。ローリングタワーの重心位置が変わり、転倒する恐れがあります。手摺から乗り出す必要がある場合は、ローリングタワーを安全な位置に移動させてから作業を行って下さい。

    5-8.手摺や幅木に足を掛けない

    手摺や幅木に足を掛けてはいけません。作業高さに届かない場合は、ローリングタワーの段数を増やします。

    5-9.資材が外れた状態で使用しない

    ローリングタワーの資材が外れた状態での使用や移動はしないでください。資材が外れた場合は、その場で修正します。

    5-10.建枠と交さ筋かいの外側で作業をしない


    ローリングタワーを使用する際に重要なのが、建枠と交さ筋かいの内側で作業をすることです。建枠と交さ筋かいの外で作業をすると、ローリングタワーの重心が偏心して転倒の原因となります。

    6.まとめ



    今回はローリングタワーの特徴や組み立て方、使用時の注意点を解説しました。

    ローリングタワーは、作業の範囲が限定的な高所作業において利用します。

    安全に高所作業をするためにも、使用する際の注意点を守って活用してください。

  • 足場業界でよく使われる専門用語20選を紹介
    建設現場では業界特有の専門用語があります。高所作業などリスクの高い現場で、コミュニケーションに問題があると、ミスや事故の原因になりかねません。

    とは言うものの、経験が浅い人にとっては専門用語を覚えるまでに時間がかかるでしょう。そこで今回は、足場業界で使われている専門用語について説明します。

      ▼ 目次
       1.足場業界でよく使われる専門用語20
        1-1.  アウトリガー
        1-2.  朝顔
        1-3.  犬走り
        1-4.  インパクト
        1-5.  ウインチ
        1-6.  越境(えっきょう)
        1-7.  親綱
          1-8.  壁つなぎ
          1-9.  仮囲い
          1-10.  キャットウォーク
          1-11.  狭小地(きょうしょうち)
          1-12.  くさび緊結式足場
          1-13.  現調
          1-14.  工期
          1-15.  子方
          1-16.  下げ振り
          1-17.  駄目
          1-18.  談合
          1-19.  ばらし
          1-20.  屋根足場
       2.まとめ


    1.足場業界でよく使われる専門用語20選


    足場と言っても、いくつかの種類があります。まずは、足場の種類について説明します。

    足場業界では、鳶と呼ばれる職人が作業を行っています。記録上、鳶職の歴史は日本最古の建築物である、法隆寺建立の時代までさかのぼります。約1400年前からある職業です。

    鳶職と聞くと、気性が荒く粗暴な人が多いという印象を持つ人もいるかもしれません。しかし危険な高所で作業を行うため、ちょっとしたミスや油断が重大事故につながる可能性があり、常に緊張感を持って作業を行っています。そのため、つい言葉が荒くなることもあるでしょう。

    足場業界では、鳶職とのコミュニケーションが重要となります。次からは足場業界で鳶職がよく使っている専門用語20個を厳選して説明します。

    1-1.アウトリガー





    アウトリガーとは足場やクレーン車、脚立など、高さがあってバランスの悪い物が転倒しないために支える部材のことです。足場の現場では、特に移動式足場であるキャスター付きローリングタワーで使われています。

    アウトリガーを使用する場合は転倒防止のため、先端の支柱が地面と隙間ができないようにしっかり設置します。隙間を作らないためには地面に直接設置するのではなく、一定の面積のある敷板の上に設置するのがポイントです。

    1-2.朝顔




    朝顔とは足場からの落下事故を防止するため、足場側面に上向きに傾斜させて取り付ける防護柵のことです。建設現場が道路や歩道などに隣接している場合に、落下物などから歩行者を保護する役割を果たします。

    上向きに傾斜しているので、落下物が朝顔内に留められるのが特徴です。設置には道路占用の許可が必要で車道上は5m以上、歩道上は4m以上の高さを設ける必要があります。

    1-3.犬走り




    犬走りとは建築物の周囲にある、幅600mm以上の隙間のことです。犬走りにはコンクリートで固めたり、砂利を敷き詰めたりする2種類の方法があります。犬走りの由来は、犬1匹が通れるくらいの細い道とされています。

    犬走りの目的はもともと日本家屋には雨どいが無かったため、雨の跳ね返りから建物を保護したり、建物の周りに雑草が生えないようにしたりすることです。

    工事する際には足場の設置に使用するので、事前に犬走りを確認することが重要です。

    1-4.インパクト




    インパクトとはインパクトドライバーの略称で、ビスやボルトを締めたり緩めたりする時に使う電動工具です。インパクトは、モータにハンマーと呼ばれる打撃する部品が取り付いており、ハンマーが打撃することで、大きなトルクが得られます。

    打撃による強い衝撃でネジを締めつけたり、緩めたりできるためインパクトドライバーと呼ばれています。

    1-5.ウインチ




    ウインチとはワイヤーをドラムに巻き付ける構造で、動力によって物を上げ下ろしする機械です。足場組み作業では、重い足場資材の荷揚げ荷下ろしに使用されます。

    1-6.越境(えっきょう)


    越境とは、敷地の境界線を越えることです。建設工事で足場を設置する場合、最低でも50cm程度の幅が必要です。敷地境界までの幅が50cm未満しか無いと、一般的な足場が設置できません。

    必要な幅が確保できない場合は、越境して足場を組む必要があります。もし越境する場合は、近隣の敷地を使用させてもらう必要があります。

    近隣の敷地使用については民法209条に明記されており、隣地の利用を請求できます。ただし、隣人の承諾が無ければ立ち入ることもできません。

    1-7.親綱




    親綱とは高所作業において作業者の墜落を防止するため、墜落制止用器具のフックを掛けるロープのことです。

    1-8.壁つなぎ


    壁つなぎは足場の倒壊や変形を防ぐため、建築物と足場を連結する金具のことです。金具には種類があり、躯体打ち込みインサートや先付けプレートアンカーなどがあります。

    1-9.仮囲い




    仮囲いとは、工事期間中に建築現場の外周を囲う仮設の塀のことです。仮囲いを設置する目的は、工事期間中の安全確保、第3者災害の防止、盗難防止、騒音・塵挨の飛散防止などがあります。

    1-10.キャットウォーク




    キャットウォークとは、高所に設置された設備などのメンテナンス用に施工された点検通路のことです。劇場や体育館などは、照明やその他の設備が高所にあることが多いため、点検や修理を行うためにキャットウォークを建設時に設置します。


    1-11.狭小地(きょうしょうち)




    狭小地とは、20坪以下の狭い土地のことです。しかし足場の現場では「建物と建物の間の現場」のことを指します。狭小地に建物を建てる場合は、敷地境界ギリギリまで建物を建てることが多いため、足場を立てるスペースが狭くなり、足場組立ての難易度が高くなります。

    1-12.くさび緊結式足場




    くさび緊結式足場とは、支柱(建地)にコマと呼ばれる緊結部を一定間隔に備えた鉄パイプ(鋼管)に、くさびの付いた鉄パイプをハンマーで打ち込んで緊結して組み立てる足場のことです。

    1980年に株式会社ダイサンが日本で初めて販売した足場で、ビケ足場と呼ばれることもあります。くさび緊結式足場は、主に中高層建築の施工に採用されています。

    1-13.現調


    現調とは現地調査の略称で、現場を下見する意味で使われます。現調は工事の依頼者から送付された画像やGoogleマップからある程度把握できますが、実際に現場を下見しないとわからないことも多くあります。

    1-14.工期


    工期とは、工事が行われる期限や期間のことです。建設工事の工期は契約時に決められ、天候に左右されることがあるため、ある程度余裕を持った期間が設定されています。

    1-15.子方


    職長の指示に従って作業を行う鳶職人のことです。

    1-16.下げ振り


    下げ振りは糸の先に付けた重りを垂らして、柱や壁が垂直に施工されているか調べる道具です。糸と重りだけの道具ですが、簡単に垂直かどうかを調べることができます。

    1-17.駄目


    工事後に見つかった不具合のことで、不具合を直す工事を駄目工事と言います。

    1-18.談合




    談合とは競争入札がある公共工事などにおいて、競合する事業者同士が事前に入札金額を話し合って協定を結ぶことです。過度の競争を回避することや、高い価格で落札するために行われる行為です。

    談合は談合罪という刑罰があり、刑法96条で3年以下の懲役もしくは250万円以下の罰金、またはその両方が課せられます。

    1-19.ばらし


    ばらしとは、足場を解体することです。足場以外にも、建物基礎の型枠をばらす作業などもばらしと言います。

    1-20.屋根足場


    屋根足場とは、屋根の上に設置する足場のことです。マンションのように屋根が平らであれば足場を組む必要はありません。傾斜のある屋根で作業する場合には足場を設置します。


    2.まとめ




    足場業界でよく使われる専門用語について解説しました。専門用語が多くあり、用語を把握していないと、作業中やミーティングの時の会話を理解するのが難しくなります。

    仕事中のコミュニケーションを円滑にするためにも、足場職人を目指す人、足場職人になったばかりの人は、専門用語の勉強をしておきましょう!
  • 足場図面の書き方を4つの手順で解説!足場の設計と図面の書き方について
    建築工事において、足場は高所で作業を行うために欠かせません。現在、さまざまな建築工事で足場が利用されています。一見すると当たり前のように組まれている足場ですが、ちゃんと設計して組まないと、作業に支障をきたす場合があるのです。

    そこで今回は、足場の設計と図面の書き方について説明します。

      ▼ 目次
       1.足場の種類
          1-1.  単管足場
          1-2.  くさび式足場
          1-3.  枠組み足場
       2.足場図面の書き方
        2-1.  建築物を書く
        2-2.  足場の割を出す
        2-3.  割り付けの調整
        2-4.  高さを出す
       3.まとめ


    1.足場の種類


    足場と言っても、いくつかの種類があります。まずは、足場の種類について説明します。

    1-1.単管足場



    単管とは直径48.6mmの鉄パイプのことで、この単管をつなぎ合わせて組み立てた足場を単管足場と言います。単管はクランプと呼ばれる固定器具を軸に、足場の形状を柔軟に変化させて組めるのが特徴です。形状を柔軟に変化できるため、狭い場所でも足場を組めます。

    しかし、単管足場は、他の足場と比べて強度や安全面について弱いところがあり、高層の足場としては適していません。単管足場の材料は、ホームセンターで購入が可能で、DIYなどに使用する人も多いでしょう。部材のコストは比較的安価ですが、組み立てや解体作業に時間がかかります。

    1-2.くさび式足場




    くさび式足場は、くさび緊結式足場やビケ足場とも呼ばれています。くさびとは、断面がV字形になっている道具のことで、一方が薄く、反対側が厚いため、隙間に打ち込んで使う物です。用途としては、隙間を広げたり、周囲を圧迫して物と物が動かないようにしたりします。

    くさび式足場は、このくさびの特徴を活かして足場を組みます。くさび式足場の部材には、決められた間隔でくさびを打ち込むコマと呼ばれる凹みがあり、くさびの付いたパイプをコマに差し込んで組むのが特徴です。

    組み立てに必要な工具は、ハンマー1本だけで行えるため、組み立てや解体作業を効率的に行えます。強度や耐久性も高く、高さ45mまでの足場を組めます。単管足場に比べ、設置場所のスペースを必要とするため、狭い場所などでは設置できません。

    1-3.枠組み足場




    枠組み足場は、文字通り定型の枠を使って組む足場です。橋梁工事や建築工事などで利用されています。足場に使用する枠については、工場で生産されているため、安定した強度があります。

    足場にとって安定した強度があるということは、安全性が高いということです。足場の高さも原則として45mまで組むことが可能です。枠に軽量な素材のアルミニウムを使用した製品もあり、軽量で扱いやすい物もあります。

    くさび式足場と同様に、組み立てや解体作業が簡単にできる足場です。枠組み足場は、比較的大きな建築現場で利用されています。その理由として、設置にはある程度のスペースが必要で、部材の搬入出や置き場についても、十分なスペースが必要となるからです。

    これら以外にも、吊り足場や移動式足場など、場所と用途によって使われる足場の種類が異なります。

    2.足場図面の書き方


    足場を組むためには、図面を作成する必要があります。ただし、すぐに図面を作成するのではなく、書き始める前に工事現場へ行って、足場を組む環境を確認しましょう。

    なぜなら、新しく建物を建てる場合はグランドレベルが図面と異なっている場合があるからです。また修理や改築する場合は、建物の周囲にエアコンの室外機や建物とは別の構造物など、足場に干渉する物があるかもしれません。

    さらに建物と敷地境界線の幅の確認を怠ると、設計した足場が組めない可能性があります。現場で確認した情報を前提に、足場図面を作成する必要があるのです。

    足場の図面の書き方については、決まった書き方はありません。鉛筆と定規で書く人やCADソフトを使って書く人もいます。書き方は違いますが、設計の考え方はどの足場でも共通しています。

    2-1.建築物を書く


    まずは、建築物を書きます。新築の場合は図面があるので、平面図や立面図を入手します。入手した図面は、建物の外回りに関する寸法が記入されている物を用意しましょう。

    建築図面は、壁芯で寸法が書かれているため、壁や基礎の厚み、軒や出窓など建物の外形寸法も調べておくことが必要です。次に打ち合わせで、作業を行う職人と作業高さや建物への出入り口、階段の位置などを決めましょう。

    足場を組む前提条件が決まったら、入手した立面図や平面図に記入します。また図面には、敷地境界に関することや、作業で注意することなど、必要な情報を全て記入しておくと良いでしょう。

    古い建物の場合、図面が無い場合があります。図面が無い場合は、建物の実寸が必要です。実寸した寸法をもとに、建物の立面図と平面図を書きます。

    2-2.足場の割を出す


    足場の割を出します。足場の割とは、平面図をもとに足場となる床板を建物の周囲に並べていく作業です。

    足場の割を出すことで、建物の周囲を足場がいくつに分割されるか確認できます。割を出す場合は、建物の周囲に300mm程度の隙間ができるようにしましょう。最初に足場の割を出す場合は、基準寸法として床板の寸法を幅600mm長さ1800mmとして並べていきます。

    2-3.割り付けの調整


    足場の割を出すと、建物の角や端の部分で建物と干渉したり、はみ出し過ぎたりすることがあるでしょう。そのような部分については、割り付けの調整を行います。

    割り付けの調整が上手くできるかが、足場設計のポイントです。足場のサイズは規格で決められており、メーター規格であれば、1800mm、1500mm、1200mm、900mmと決まられています。(インチ規格であれば、1829mm、1524mm、1219mm、914mm、610mmです)

    例えば、長さ1800mmの床板が、建物と300mm干渉していた場合、床板を1200mmに変更することで、建物との干渉を回避でき、建物との間に300mmの隙間を確保できるのです。

    一方、建物の端で1500mmはみ出た場合、建物との隙間300mmと足場の幅600mmを確保するため、床板の長さを1200mmにすることで、はみ出しを調整します。

    調整が難しい場合は、300の倍数で割り切れない場合です。例えば、建物端部で990mmはみ出した場合を考えてみましょう。このまま足場を組むと、建物との隙間の寸法は390mmです。

    隙間を少なくするために300mm短い足場に変更すると、建物との隙間が90mmとなります。どちらの場合も、作業性や安全性に影響があるでしょう。

    このような場合は、90mmを埋めるような補助足場を設けるか、余った寸法を反対側の隙間に均等に振り分けて調整します。この作業を繰り返して、建物周囲の足場の割を調整し、平面図に反映させます。


    2-4.高さを出す


    平面の図面が完成したら、次は立面図の図面を書きます。立面図で重要なのが、グランドレベルと最高の作業高さです。グランドレベルとは、建物の基準となる地盤の高さです。基礎や建物の基準となります。

    グランドレベルは建築現場が平坦とは限らないため、事前確認してどこを基準にするかを決めます。レベルが違う場合は、最も高い部分を基準にしましょう。

    低いところ基準にすると、位置ずれや倒壊防止をするための根がらみが組めなくなるからです。レベルが決まったら高さ方向の割り付けを行います。

    高さ方向にもメーター規格とインチ規格があり、決められた寸法がありますので、必要な作業高さに作業床が設置できるように割り付けて図面にします。

    足場の図面は、作業足場以外に建物への出入り口や階段などの位置を配置して完成です。図面が完成したら、図面通りの足場を組むために必要な部材を分類して使用数を数え、工事に向けた準備をします。

    3.まとめ




    足場は建築物の形に合わせて設計します。足場図面を書く上で重要なのは、工事現場を事前に確認して、作業を行う会社と足場の条件を明確にしておくことです。

    足場の割については、部材のサイズや建物との隙間を調整して、安全で作業性の良い足場を設計します。

    いざ足場を組んでいる時に、寸法が合わないことや足場部材が足りないということが発生しないように、図面でしっかり確認しましょう。

    足場部材の種類やデータについては、中央ビルト工業のホームページで公開されています。調整に便利な部材のデータもあるので、ダウンロードして活用して下さい。
  • 足場の組立て等特別教育とは?資格の取得方法も解説
    建設工事では、基本的に作業床となる足場の確保が必要になります。足場からの転落・墜落による労働災害を防ぐためにも、作業者は足場や作業方法についての知識、労働災害に関する知識などを知っておかなければなりません。

    労働災害が多発した背景から、平成27年に労働安全衛生規則の一部が改正され、「足場の組立て等特別教育」が追加されました。

    そこで今回は「足場の組立て等特別教育」について詳しく紹介していきます。講習内容や資格取得までの流れ、また「足場の組立て等作業主任者技能講習」との違いについても確認します。

    ▼ 目次
     1.足場の組立て等特別教育とは
     2.足場の組立て等特別教育の資格を取得するには
      2-1.  受講内容
      2-2.  受講資格
      2-3.  受講料
        3.足場の組立て等作業主任者技能講習とは違う
      3-1.  足場の組立て等作業主任者技能講習とは
      3-2.  足場の組立て等特別教育との違い
     4.まとめ


    1.足場の組立て等特別教育とは



    労働安全衛生法第59条の規定により、事業者は労働者が特定の危険性を伴う業務を行う場合に、安全又は衛生のための教育を行わなければなりません。

    足場を使う高所作業における災害や死亡事故が後を絶たない中、労働安全衛生規則が一部改正され「足場の組立て等特別教育」が追加されました。

    平成27年7月1日より、足場の組立て、解体又は変更の作業に係る業務を行う場合は、必ず特別教育を修了しなければなりません。しかし地上や堅固な床上における補助作業や、足場上を歩行するだけの場合は対象ではありません。
     
    「足場の組立て等特別教育」を作業者に受講させていない、または無資格の作業者に足場の組み立て作業を行わせるなどの行為が発覚した場合、事業者に6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。
     

    2.足場の組立て等特別教育の資格を取得するには





    次からは「足場の組立て等特別教育」の受講内容や受講資格、受講料について説明します。


    2-1.受講内容


    「足場の組立て等特別教育」のカリキュラムと講習時間は下記のとおりです。


     
    出典:建設業労働災害防止協会「足場の組立て等の業務に係る特別教育について」 


    講習は学科のみで、実技はありません。

    カリキュラムの合計時間は一般的に6時間ですが、平成27年7月1日の足場特別教育が義務化された時点で足場作業に従事していた方は、3時間の講習になります。ただし3時間の講習を受ける場合は、経験証明が必要です。

    また下記に該当する方は、特別教育を省略することができます。

    ・足場の組立て等作業主任者技能講習を修了している方
    ・建築施工系とび科の訓練(普通職業訓練)を修了した方、居住システム系建築科又は居住システム系環境科の訓練(高度職業訓練)を修了した方など足場の組立て等作業主任者技能講習規程(昭和 47 年労働省告示第 109 号)第1条各号に掲げる方
    ・とびに係る1級又は2級の技能検定に合格した方
    ・とび科の職業訓練指導員免許を受けた方
     

    2-2.受講資格


    「足場の組立て等特別教育」に関して、受講資格はありません。また実務経験が無くても受講できます。

    ただし年少者労働基準規則によって、18歳未満の方は高さ5メートル以上の場所で、墜落により作業者が危害を受けるおそれのある業務や、足場の組立て・解体又は変更の業務に就くことはできません。

    そのため18歳未満の方が「足場の組立て等特別教育」を受講して修了しても、修了証は発行されません。また地上又は床上における補助作業の業務しか就けませんので注意しましょう。


    2-3.受講料


    「足場の組立て等特別教育」の受講料は開催している各協会や団体などによって異なりますが、テキスト代込みで10,000円程度で受講できます。また、WEB講座でeラーニング形式による受講も可能です。

    WEB講座の受講費用は8,000円程度で、一般的な講習会の費用と変わりはありません。講習会場へ行くのが難しい方や最短で受講を修了したい方はWEB講座を利用すると良いでしょう。作業者に対してまとめて特別教育を受講させたい場合は、社内研修として講師を派遣するサービスもあります。

    特別教育を修了した後に、教育を実施した機関から修了書が発行されます。事業者は、作業者が修了した教育履歴を管理しなければなりません。修了証の多くは紙で発行されることが多いです。修了証は事業者が保管するように義務付けられています。


    3.足場の組立て等作業主任者技能講習とは違う



     
    「足場の組立て等特別教育」と並んで聞く言葉に「足場の組立て等作業主任者技能講習」があります。次からは、この2つの違いについて解説します。


    3-1.足場の組立て等作業主任者技能講習とは


    「足場の組立て等作業主任者」は、労働安全衛生法により定められた国家資格です。高さ5メートル以上の足場の組立てや解体、変更の作業を行う場合は、作業主任者を1名選任しなければなりません。

    作業主任者は「足場の組立て等作業主任者技能講習」を修了した方の中から選びます。選任された作業主任者は作業者に対して、安全に作業ができるように作業場の管理や作業指示、安全管理のための技能などを指導します。

    事業者は、選任した作業主任者の氏名と作業内容を記載したものを作業場の見やすい箇所に掲示し、作業者に周知しなければなりません。また作業主任者を2名以上選任した場合は、それぞれの職務の分担を明確にして掲示しましょう。


    3-2.足場の組立て等特別教育との違い


    足場の組立て等特別教育と足場の組立て等作業主任者技能講習との違いは、「作業をする人」「作業者の指揮をとる人」と受講対象者が異なることです。

    「足場の組立て等作業主任者技能講習」は作業場における管理・指導者のための国家資格を取得する講習です。技能講習会で行われる修了試験に合格しないと資格を取得できません。

    受講資格は満21歳以上で足場の組立てや解体、変更に関する作業に3年以上従事した経験を有する場合、満20歳以上で大学、高専、高校、中学で土木、建築または造船に関する学科を専攻しており、その後2年以上足場作業に従事した経験がある場合のいずれかになります。

    一方、「足場の組立て等特別教育」は作業者に必要な知識やルールを学ぶための教育です。足場の組立て、解体または変更作業に関わるすべての人が受講する必要があり、6時間のカリキュラムを受講すれば修了証が発行されます。

    このように「足場の組立て等作業主任者」と「足場の組立て等特別教育」は、資格取得の対象者や目的が異なります。両者の違いを理解して、必要に応じた資格を取得しましょう。

    4.まとめ



     
    安全で効率的に建設工事を行うためには、適切な足場が必要です。その足場を組み立てる全ての作業者は、正しい知識で作業をしなければなりません。

    また作業者に特別教育を受講させることは、事業者の責務でもあります。

    「足場の組立て等特別教育」で学ぶ内容をしっかりと理解し、足場の作業における、転落や墜落といった事故の防止に努めましょう。
     
  • 足場を利用する前に知っておくべきルール!労働安全衛生法と併せて解説
    1950年代から1970年代までの高度経済成長期時代に、政府や企業は多くの資金を投入して、多くの建築物をつくってきました。大量につくられた建築物は、築50~60年となり老朽化が進んできています。

    建造物の多くが建て替えや大規模補修時期を迎えています。解体や建設工事において、高所作業は必ずと言っていいほど必要な作業です。高所作業を安全かつ効率的に行うために仮設足場を設置する必要があります。

    単純に足場と言っても、数メートルのものから数十メートル以上のものまであります。そこで今回は、足場設置のルールについて詳しく解説していきます。


      ▼ 目次
       1.足場のルールはなぜ決められているのか
       2.労働安全衛生法とはどのような法律か
        2-1.  足場設置箇所について
        2-2.  足場使用時の措置について
        2-3.  足場材について
        2-4.  足場点検について
        2-5.  足場技能講習について
       3.足場利用の注意点
       4.まとめ

    1.足場のルールはなぜ決められているのか


    建設作業などで組まれる足場は、事故を防止するためにルールが決められています。厚生労働省が公表している「令和3年労働災害発生状況」によると、建築業の労働災害における死亡者数は、全産業の中で最も多い状況です。

    また、死亡災害の25%が転落・墜落によるものです。この傾向は災害統計を取り始めたときからほとんど変わりません。建築業で転落・墜落事故が発生するのは、高所での作業が多いからです。


    参考:厚生労働省「令和3年労働災害発生状況」 


    高所作業において転落や墜落する原因は、適切な足場の設置・利用をしていないことです。例えば一時的な作業だからといって足場を設置せずに、付近の出っ張りに足をかけて作業することで、転落や墜落事故が起こるのです。

    厚生労働省は足場からの墜落や転落事故を防止するため、平成21年6月に労働安全衛生規則を改正し、「足場・架設通路及び作業構台からの墜落・転落防止措置等」が見直されました。

    平成27年7月1日から施行され、足場からの墜落防止対策が強化されています。このように労働安全衛生法などによって、足場に関するルールが決められているのです。


    2.労働安全衛生法とはどのような法律か



     
    労働安全衛生法が制定された目的は、職場における労働者の安全と健康の確保、快適な職場環境を形成することです。

    具体的には、下記について定められています。

    ・事業者等の責務
    ・労働者の協力
    ・建設工事の注文者等への配慮

    建設業に関わる全ての人達は、労働安全衛生法に沿って計画的に労働災害防止に取り組む必要があります。

    高所作業において、適切な足場を設置することは事業者の責務であり、労働者は足場を正しく使用することに協力しなければなりません。

    2-1.足場設置箇所について


    足場の設置については労働安全衛生規則第563条で、「高さ2m以上の作業場所には、作業床を設けなければならない」とされています。

    また、足場の作業床については、同法第563条で、下記のように決められています。

    ・幅は40cm以上
    ・床材間の隙間は3cm以下
    ・床材と建地との隙間は12cm未満

    さらに墜落防止の措置として、労働者が墜落する危険のある箇所には足場の種類に関係なく、たわみが生じない強度の床材を使用する必要があります。また著しい損傷や変形、腐食がないかも確認して下さい。

    わく組足場は、交さ筋かいと以下のいずれかを設ける必要があります。

    ・高さ15cm以上40cm以下の桟
    ・高さ15cm以上の幅木
    ・これらと同等以上の機能を有する設備
    ・手すりわく

    2-2.足場使用時の措置について


    足場を使用する際は、墜落防止のため「墜落制止用器具」を着用します。以前は「安全帯」と呼ばれていましたが、安全帯に含まれている胴ベルト型(U字つり)は墜落を制止する機能がないことから、改正後の現在ではハーネス型(一本つり)と胴ベルト型(一本つり)のみが「墜落制止用器具」として認められています。

    原則として、墜落制止用器具はフルハーネス型を使用することになりますが、いくつか選定要件もあります。例えば高さ2m以上の作業床が設置できない箇所や、作業床の端・開口部などで手すり等が用意できない箇所の作業の場合は、特別教育の受講が必要になります。

    また高さ6.75m以下で着用者が墜落時に地面に到達する可能性がある場合、「胴ベルト型(一本つり)」も使用できます。

    しかし高さ6.75m以下であっても、5m以上の建設作業、2m以上の柱上作業等の場合にはフルハーネス型の着用が推奨されます。


    2-3.足場材について


    足場となる材料については、労働安全衛生規則第559条で著しい損傷、変形又は腐食のあるものを使用してはならないとされています。

    また鋼管足場に使用する鋼管は、「日本産業規格A8951(鋼管足場)に定める単管足場用鋼管の規格に適合するもの」でなければなりません。

    木材の足場材を使用することは認められています。ただし特別な理由がない限り、強度が明確で変形や腐食に強い鋼管の足場材を使用した方が良いでしょう。


    2-4.足場点検について


    足場の点検については、労働安全衛生規則第567条に定められています。吊り足場を除く足場作業を行うときは、作業前に「足場用墜落防止設備の取り外し」と「脱落の有無」の点検をしましょう。異常を認めたときは、直ちに補修しなければなりません。

    屋外に設置する足場は強風や大雨、大雪などの悪天候、台風や地震などの災害が発生した場合、入念に点検する必要があります。

    なお、点検を行った場合は必ず点検結果を記録に残し、足場を使用する作業が終了するまで保存しなければなりません。


    2-5.足場技能講習について


    足場の組立てや解体、変更の作業に労働者を就かせるときは、特別教育の受講が必要です。ただし地上、堅固な床上での補助作業の場合は、特別教育を受講する必要はありません。

    特別教育は6時間のカリキュラムで、「足場及び作業の方法に関する知識や工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識」などを学びます。

    また、つり足場や張出足場、高さ5m以上の足場の組立てや解体、変更の作業を行う場合は、「足場の組立て等作業主任者」の資格を取得する必要があります。ただしゴンドラを使用するつり足場作業の場合は、足場の組立て等作業主任者の資格を取得する必要はありません。

    講習会は各県で開催されています。開催情報は「建設業労働災害防止協会」のホームページから確認できます。


    3.足場利用の注意点


    建築現場では、足場を組み立てる職人と足場を利用する職人に分かれます。足場を利用する職人は、足場を組み立てた職人を信じて高所作業を行います。

    全ての人が安心して使用できる足場を組み立てることが求められるため、足場を組む前の計画が重要になります。

    計画の段階から事故のリスクが高い「つり足場」などは、組立てや解体の高所作業が少なくなる設計が求められます。

    また、足場は一度組んだら長期間利用されるため、作業前の点検を徹底することも忘れてはなりません。


    4.まとめ



     
    建設現場などでの足場組立のルールは、関連法令や省令で詳細に決められていますので、現場を管理する立場の人は一度確認しておきましょう。

    法改正情報など、一覧で検索できます。ルールを守り、全ての従業員が安心して作業ができる環境を整える必要があります。

    参考:
    安全衛生情報センター